「ジンを飲んでみたいけれど、種類が多すぎてどれを買えばいいかわからない」

そんな声に、この記事で答えます。

こんにちは、ジン研究家のろっきです。書籍『Gin ジンのすべて』(旭屋出版)では111本のジンをレビューしました。この記事では、「最初の一本にふさわしい定番ジン」を7本選びました。

選定基準

  • 入手しやすい:スーパーや量販店、ネットですぐ買える
  • 価格が手頃:おおむね1,000〜4,500円
  • ジンの基準になる:これを知っていれば、他のジンの個性がわかる

当記事のリンクにはアフィリエイトリンクが含まれます。紹介しているのは、私が実際に飲んで自信を持っておすすめできるものだけです。


1. ビーフィーター|「ジンの基準」を知る一本

もっとも有名なジンといっても過言ではない、ロンドンドライジンの代名詞です。世界で初めてボタニカルにシトラス(柑橘類)を使用したのがこのビーフィーターで、創業者ジェームズ・バローが選んだオレンジとレモンは、今も当時と変わらず使われています。

大手蒸溜所らしく完成された味わいで、辛さもジュニパーの香りもしっかりしていて、シトラスをはじめとするボタニカルがバランスよく感じられます。1,000円程度で購入できることもあり、まず買う一本として申し分なく、気に入れば常備の一本になります。

おすすめの飲み方:ジントニック。ただしライムではなくレモンで。ボタニカルのシトラス(オレンジとレモン)をかき消さないためです。同じ理由でオレンジもよく合います。この飲み方は、ロンドンのビーフィーター蒸溜所を訪ねたときに教わりました(訪問記はこちら)。

2. タンカレー|キリッと透き通った、ジン好きのスタンダード

緑色のずんぐりしたボトルは、消火栓をかたどったという説もありますが、蒸溜器を模したデザインのようです。ビーフィーターに比べるとキリッとしていて、より透き通った印象のジンです。特徴はカルダモンの香り。お酒好きの方には、ビーフィーターよりこちらが好みという人も多いでしょう。

おすすめの飲み方:マティーニなどジンの味をそのまま活かすカクテル。よりすっきりしたジントニックを作りたいときにも。

💡 ちなみに、「一本だけおいしいジンを教えて」と聞かれたら、私はプレミアム版のタンカレーNo.10を挙げます。通常のタンカレーよりさらに透き通り、香りと甘みが鮮明に立つ、例えるなら繊細かつ鋭い、業物の日本刀のようなジンです。実売4,500〜5,500円と少し贅沢ですが、値段に見合う一本です。

3. ボンベイ・サファイア|華やかな香りの虜になる

10種類のボタニカルとともに蒸溜される、華やかなジンの代表格。伝統的なジンとしては初めて、これほど多種類のボタニカルを使った銘柄です。とても華やかな香りがして、比較的甘めで飲みやすい。昔から、「このジンが一番好き」とこの香りの虜になっている人をよく見かけます。

この華やかさは他のジンでは味わえないもので、「ジンはちょっと苦手かも」という人にこそ試してほしい一本。美しい水色のボトルも含めて、見た目にも楽しいジンです。

おすすめの飲み方:ジントニック。この華やかな香りのジントニックはやみつきです。ロックも◎。

4. ゴードン|ワイルドで財布にやさしい、女王陛下のジン

黄色いラベルが目印。ジン飲みの間で非常によく飲まれているジンで、酒屋でも高確率で置いてあります。バーで普段から使用する、ハウスジンとして採用されることも多いジンです。全体的にはワイルドでおいしい。飲んでいくうちにヤミツキになります。

実はエリザベス女王の御用達はゴードンだったと言われています。人気の理由のひとつは価格で、特売でよく見かけるのもうれしいところ。

おすすめの飲み方:ロングドリンク。クセの強さ、コシの強さは割り負けしません。

5. ヘンドリックス|キュウリとバラ、個性派への扉

スコットランド生まれの変わり種。クラフトジンブームの先駆けとなった1本です。特徴はなんといってもキュウリとバラが使われていることです。クセのある香りかと思いきや、国際的なコンペで金メダルを獲得している実力派。ボトルの裏には “IT IS NOT FOR EVERYONE”、「合う人だけ飲めばいい」と言わんばかりの強気なコピーが書いてあります。

バラの華やかさに、キュウリの青々しさとみずみずしい後味が重なる、独自の魅力を持つジンです。

おすすめの飲み方:ロック、または甘すぎないトニックでジントニック。せっかくなのでグラスにキュウリを浮かべて。

6. プリマス・ジン|マティーニが生まれたきっかけのジン

マティーニやギムレットが最初に作られたときに使われたと言われる、歴史そのもののようなジン。プリマスはかつて主要な軍港都市でした。プリマスジンは英国海軍御用達として世界中に運ばれ、現在もバーテンダーからの支持が厚い銘柄です。

味わいはジンのなかでも甘やかで、クセがなく飲みやすい。私が飲み比べ会を開催したときにも、特に人気の高かった一本です。

おすすめの飲み方:ロックやマティーニなど、ジンの味がダイレクトに伝わる飲み方で。ジントニックももちろん◯

7. ROKU〈六〉|日本の四季を香る、ジャパニーズジンの入口

2016年の京都蒸溜所(季の美)設立を皮切りに、日本でもクラフトジンの発売が相次ぎました。そのなかでサントリーの〈六〉は、桜や煎茶、山椒など日本の6つの素材を使った、もっとも手に入りやすいジャパニーズジンです。

なんと言っても桜の香りが特徴で、桜餅のような和のテイストを楽しめます。

おすすめの飲み方:ロックや水割り、すっきりとしたスタンダードカクテルにするのもおすすめです。

💡 もう少し踏み込みたい方には、日本初のジン専門蒸溜所・京都蒸溜所の季の美を。京都蒸溜所には実際に取材で伺いました(訪問記は近日公開予定です)。


7本の早見表

銘柄 個性 価格帯(実売目安) まず試す飲み方
ビーフィーター 王道・基準 約1,000〜1,400円 ジントニック(レモン!)
タンカレー キレ・透明感 約1,800〜2,300円 マティーニ/GT
ボンベイ・サファイア 華やか 約2,000〜2,500円 ジントニック
ゴードン ワイルド・安い 約1,100〜1,400円 ロングドリンク
ヘンドリックス キュウリとバラ 約4,000〜4,700円 ロック/GT+キュウリ
プリマス 甘やか・歴史 約3,000〜3,500円 マティーニ/ロック
ROKU〈六〉 和素材 約3,500〜4,000円 ジンソーダ

迷ったら、結論

最初の一本はビーフィーター。「ジンの基準」がわかれば、2本目からの選び方が変わります。予算に余裕があるなら、いきなりタンカレーNo.10で「ジンってこんなにおいしいのか」と驚くのも、じつは近道です。

次の記事では、この7本の実力を最大限に引き出す「家で作る本当においしいジントニックの黄金比」を解説します。


筆者:ろっき|ジン研究家・医師。2013年より日本初のジン専門同人誌『もっとジンをおいしく飲む本』を頒布、2020年に書籍『Gin ジンのすべて』(旭屋出版)を出版(Amazonカテゴリベストセラー1位)。ロンドン・国内の蒸溜所取材多数。