ジントニックの黄金比|家で本当においしく作るコツをジン研究家が解説
ジンのいちばん身近でおいしい飲み方、それがジントニックです。バーで飲むあの一杯を、家でも作れたら。じつは、ほんの少しのコツで、家のジントニックは見違えるほどおいしくなります。
こんにちは、ジン研究家のろっきです。書籍『Gin ジンのすべて』の著者として、そしてロンドンまで足を運んで「本場のジントニック」を体験してきた立場から、家で本当においしいジントニックを作るコツをお伝えします。
まずは黄金比|ジン1:トニック4
トニックウォーターは「適量」とレシピに書かれがちですが、迷ったときの基準は明確です。
ジン : トニックウォーター = 1 : 4
たとえばジン45mlなら、トニックは180ml。まずはこの比率で作ってみて、そこから好みを探るのがおすすめです。「ガツンと強いのが好き」ならジンを増やして1:3くらいにするのも手です(筆者はこれが好みです)。度数を抑えたいならトニックを増やす。自分の黄金比を見つけること自体が、ジントニックの楽しみです。
多くのバーでは、ジントニック1杯にジン30mlを使います。この量で家で作ると少なく感じるかもしれませんが、バーでは大きめの氷を使うため、30mlでも十分な見た目になります。氷をしっかり使い、味は少し濃いめに仕上げる。これがバー流のポイントです。
基本の作り方
- 大きめのグラス(コリンズグラスなど)に氷をたっぷり入れる
- ジン45mlを注ぐ
- ライムを1切れ搾る(お好みで)
- トニックウォーター180mlを注ぐ
- 軽く1回だけステア(かき混ぜる)。混ぜすぎると炭酸が飛びます
おいしさを左右する3つのポイント
① 氷はたっぷり、大きめに
氷が少ないとすぐ溶けて水っぽくなります。グラスいっぱいの氷が、かえって薄まりを防ぎます。冷えも大事です。ジンもトニックも、できればグラスも冷やしておくと完成度が上がります。注ぐ前に氷だけをかき回してグラスを冷やし、溶けた水を捨ててから注ぐのも有効です。
② トニックウォーターで、味は激変する
ジントニックの中でいちばん大きな比率を占めるのはトニックウォーターです。これを変えるのが、家飲みジントニックを格上げする最短ルートです。
私のおすすめはフィーバーツリー。2004年にロンドンで生まれ、極上のジントニックのために作られたトニックウォーターです。しっかりした苦味と適度な炭酸で、私の中では舌触りとのどごしが最上のトニックです。少し高価ですが、ジントニックを飲むなら一度は味わってほしい一本です。しっかりしたプレミアムジンと合わせるのが特におすすめ。
トニックウォーターは銘柄ごとに甘さ・苦味・炭酸がまるで違います。現行銘柄の飲み比べは、近日公開の比較記事で詳しく扱います。
③ 柑橘は「ライム」だけじゃない
日本ではジントニックといえばライムが当たり前。でも、この当たり前は本場ロンドンで覆されました。
私がロンドンを訪ねて一番驚いたのは、ライムのジントニックを一度も飲まなかったこと。当時ロンドンで流行っていたのは「ピンクグレープフルーツのジントニック」でした。現地のピンクグレープフルーツは日本のものより甘みが少なく、それがジントニックによく合うのです。名門サヴォイ・ホテルのバーでは、レモンが使われていました。
ビーフィーター蒸溜所で教わった飲み方も、同じ発想です。ビーフィーターの柑橘ボタニカルはレモンとオレンジ。だからライムを合わせると、ライムの強い香りがジンの設計とぶつかってしまうのです(このときの見学の様子は訪問記に書きました)。
ジンのボタニカルに合わせて柑橘を選ぶ。これだけで、ジントニックはもっと楽しくなります。おすすめは季節の柑橘です。はっさくや夏みかんなど、旬のフルーツで作れば季節の移ろいまで一杯に映せます。
もう一歩、通なアレンジ:ビターズ一滴
「ライムとトニックだけでは物足りない」と感じたら、ビターズを。薬草や香草を漬け込んだ苦いリキュールで、1〜2滴で風味に深みが出ます。代表的なのはアンゴスチュラ・ビターズですが、近年はさまざまな種類が発売されており、味変に選んでみるのも一興です。ジントニックに1滴たらすだけで大きく変わります。ただし入れすぎは厳禁です。
まとめ
- 黄金比はジン1:トニック4。そこから自分好みを探す
- 氷はたっぷり、トニックにこだわる、柑橘はライム以外も試す
- 慣れたらビターズ一滴で「深み」を
ジン選びに迷ったら「定番ジン7選」へ。本場の空気は「ロンドン蒸溜所めぐり」でどうぞ。トニックウォーターの徹底比較も近日公開します。
筆者:ろっき|ジン研究家・医師。書籍『Gin ジンのすべて』(旭屋出版)著者。ロンドンの蒸溜所(ビーフィーター、シティ・オブ・ロンドン、ジンスティテュート)を実際に取材。
